top of page

【イベント開催中】itoriさんの紹介

2025年11月2日

現在開催中の「冬支度」をテーマにしたイベントから、今回は織物作家のitoriさんをご紹介します。


itoriさんは山形のご出身。東京で織物と出会い、その後スウェーデン・ダーラナ地方の手芸学校で3年間伝統的な織物技法や手工芸を学んだ後、2014年にスウェーデン手工芸協会認定の手織り職人の資格(Gesällbrev)を取得されています。「Gesällbrev」というのはその分野に関する専門的な知識を得た人だけが挑戦できる職人試験で、手織り以外にも様々な手工芸等の分野の資格があるとのこと。受験資格のある学校で、その専門分野を3年以上学んだ人だけが受験することができる、難易度の高い資格だそう。


スウェーデンの博物館のアーカイブで見た端切れから織り図を起こし、再現されたティーマット
スウェーデンの博物館のアーカイブで見た端切れから織り図を起こし、再現されたティーマット


現在は出身地の山形で、天然素材の心地よさを大切にしながら、できる限り自然由来の糸を使って作品づくりをされています。リネン糸やウール、カシミヤなどの素材は、国内の信頼できるメーカーやスウェーデンから直接取り寄せたものを使用し、高価な素材であっても、「長く使うほどに違いが感じられる」との実感から、長く愛用できる確かな糸を選んでいるそうです。ハンカチなどの小物も一部を除き、ミシン糸や手縫い糸までコットンやリネンを使用。細やかな部分にまで、素材へのこだわりが息づいています。


リネンテーブルセンター。ヘンプとリネンのみで織られているので丈夫で汚れにくく、お手入れも楽。房の部分まできれいに見えるように交差させ、2度結びして仕上げられています。
リネンテーブルセンター。ヘンプとリネンのみで織られているので丈夫で汚れにくく、お手入れも楽。房の部分まできれいに見えるように交差させ、2度結びして仕上げられています。

また、ウールやカシミヤの糸はほとんどがご自身の手で染められています。制作に入る前にたくさんの色を染め、その中から色の組み合わせを考え、織りながらさらに色を重ねていく──そんな手間のかかる工程も、染色が好きだからこそ楽しみながら取り組まれているそうです。


フィンランドの「マリアンヌ」というキャンディーの包み紙からインスピレーションを受けて作られたマフラー。カシミヤが入っているのでふわっと軽くて暖かいです。
フィンランドの「マリアンヌ」というキャンディーの包み紙からインスピレーションを受けて作られたマフラー。カシミヤが入っているのでふわっと軽くて暖かいです。

写真ではなかなか伝わりにくいのですが、実際に手に取っていただくと、素材の持つ心地よさや、繊細な風合いをより感じていただけます。itoriさんがこだわりをもって選んだ天然素材ならではの質感を、ぜひ実際に触れて感じていただけたら嬉しいです。

© 2020 by Lighting &Furniture SOL SALA Karuizawa

bottom of page